放課後のえあばす

三日坊主の三つ目のブログ

趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 7,キール軍港編

【前回までのあらすじ】

ハンブルクのメトロは改札的なものが一切ないので焦る

・フランスではどこにでも売ってたオランジーナが一切無かった

・9月なのに寒い

・大方の予想通り更新が途絶えかけた

1,ハンブルクからキール

 8日目はハンブルクから列車で1時間半ほどのバルト海に面した港町、キールへと向かいました。さすがに初めてのヨーロッパでここに行く人は少ないのでは無いかと思っていますが、この街(といってもキールからさらにフェリーで1時間ほどかかるラーボエという街ですが)には本物のUボートを公開する博物館と、ドイツ海軍記念館があるのです。

 フランスのテーマが「木組みの家と石畳の街を堪能する」なら、ドイツのテーマは「船と港(とミニチュア)」ということで(このテーマは今決めました)、キール・ラーボエは欠かせない街なのでした。

 さて、この日はハンブルク~(鉄道)~キール~(フェリー)~ラーボエといったコースをたどります。キールでの乗り継ぎ時間が15分ほどしかなく心配ですが、まあ駅から船着場までは近いので大丈夫……。

 

 結論から言うと、鉄道が10分遅れでキールに到着、ダッシュでチケットを購入し、フェリーへとひた走ります。フェリーの係員がすごい勢いで手招きして急かしてくる!

 フェリーへと滑り込むとほぼ同時に、船はラーボエへ向けて出航しました。ここまで写真が無いのはそもそも撮ってる暇が無かったからです。

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(スカンディナビア行きのフェリー、空の色がいかにも「北」っぽい)

乗ってしまえばこっちのもの、ということでしばらくフェリーの中を探検していました。

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空の色と旗の具合からお察しのとおりに、甲板の上は死ぬほど寒い!これを書いている11月現在よりもはるかに寒かったです。

 船は結構な頻度で桟橋へと接岸しながら、ドイツ海軍の停泊地や、造船所の脇をすり抜けていきます。空の色、海の色、そして建物も船も灰色の世界が続きます。

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 この瞬間、このカラコレ阿武隈(三宮のらしんばんで購入)はバルト海を見たおそらく初めての阿武隈になったのだ。

そんなこんなでキール市街地を抜けると、のどかな海岸沿いの住宅街とヨットハーバーが続きました。

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 やがて船は終点のラーボエ(Laboe)に到着しました。

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Laboe hat mehr als Meer!

英語にすると"Laboe has more than see!" ラーボエは海だけじゃないとかそんな感じの意味なんでしょうか、まあこのキャッチコピーが示すとおりに、ラーボエはバルト海の海水浴場としても有名な街のようです。

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 キール湾の日の当たる方へようこそ!東の海水浴場ラーボエ

人々の服装からも分かるとおりに、すっかりオフシーズンの海水浴場を横目に20分ほど歩くと、目的のU-995とドイツ海軍記念館が現れました。

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 艦首のフォルムや対空機銃の様子が、Uボートらしさを醸し出しています。このU-995はⅦC/41型というものらしく、1943年に就役し、戦後はノルウェー海軍に在籍した後、1マルク(!)で引き渡されたのだとか。

 もちろん艦内も見学することが可能です。お隣のドイツ海軍記念館のチケットも同時にここで購入し、艦内へ。

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 艦の速力を示す表示だと思われます。U-995の艦内は、色彩のせいか不思議に落ち着いた雰囲気が流れています。

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 このハンドル全てに意味があるとはにわかには信じがたい気もします。

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 ここは通信室、モールス信号がずっと流れ続けていました。

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 乗員用のベッド、今でもフェリーなんかではこのくらいのベッドのサイズのような気もするのでそんなに窮屈そうではない感じ。

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 U-995の周囲も自由に近づいて見ることができます。

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 時に観光地でよく見たこのメダル製造機、硬貨をプレスしてメダルにするという、なんとも豪快な代物です。日本なら罪に問われるのでなかなかレアかも。

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 次にドイツ海軍記念館へ、ここはドイツ海軍に関する展示がされていると同時に、海の戦いで亡くなったすべての人を追悼する施設でもあるとのことです。このタワーはそのシンボルなのでしょうか。

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 タワーの上からの眺めはこんな感じ。

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 ビキニ環礁からはるばる里帰りを果たしたプリンツ・オイゲンの実際のスクリューも展示してありました。

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 館内には歴代ドイツ海軍の艦船模型が展示、ハンブルクの海洋博物館とくらべてしまうと少ないように見えますが、その分一つ一つをじっくり眺めることが出来ました。

 帰りのフェリーの時間が迫っていたので、ドイツ海軍記念館を後にし、一路ラーボエ中心地へと戻りました。そこから再び1時間フェリーに揺られ、キールの中央駅へ。

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このレールはフェリーを経由して、最終的にスカンディナビアへ続くのでしょう。

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 このブログで紹介する5つ目の駅、キール中央駅です。コルマールほどでないにしてもこじんまりとしています。

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 再び列車に乗ってハンブルクへと帰ります、今度は遅れずに定刻通りの到着となりました。

 天気はあまり優れませんでしたが、逆にそれが軍港としてのキールの厳かでどこか寂しい雰囲気とマッチしていて、これはこれで良かったような気がします。前日までは「潜水艦も模型もハンブルクで見られるし、キールにわざわざ行かなくても」と考えていましたが、やはりキールにはキールの良さがあり、行ってよかったと自信を持っておすすめできます。

 

次回:最後の街アムステルダム