趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 8,アムステルダム~帰国編
0,前回までのあらすじ
・記事の通し番号がなんかおかしくなってたので修正しました。
・あけましておめでとうございます。
・いつもより駆け足気味です。
1,ハンブルク出発
さて、アルザス・北ドイツを趣味全開でめぐって来たこの旅行も、終わりが近づいてきました。ハンブルクからアムステルダムまでは、飛行機を利用して移動します。アムステルダムに到着後は、叔父・叔母の友人で、アムステルダム在住のAさんに案内していただけることになりました。
駅のホームからターミナルへと上がるエスカレータには"Auf Wiedersehen in Hamburg"の文章があって、少し感傷を誘います。地味に「さようなら」という日本語も載ってますね。
アイルランドの航空会社、エアリンガス。デザインが好きなのですが、日本では見られないので出会えて感動です。
ドイツもオランダもシェンゲン協定加盟国なので、特に国内線と変わらない流れで出発しました。搭乗時間も1時間ちょっとと国内線レベルで、アムステルダム・スキポール空港へ到着です。
アムステルダムを案内してくださるAさんとはホテルで待ち合わせました。
そこから、アムステルダム国立美術館→アンネ・フランクの家→アムステルダム中央駅→eyeと、アムステルダムの名所を新しいものから古いものまで、すべて見尽くせるコースを案内していただきました。
アムステルダム国立美術館、リニューアルするまでに散々モメたことで有名ですが、レンブラントやフェルメールなど、誰もが知ってる名画を間近で鑑賞できる上、写真撮影まで自由に出来るというのはちょっと衝撃的。美術館の壁が白くないのも意外でした。
アンネ・フランクの家……のすぐ近くにあるチーズ博物館に展示してあった超豪華チーズカッター。確かにアムステルダムは貴金属でも有名ですが、チーズカッターをここまで豪華にする必要はあったのでしょうか……?
アムステルダム中央駅、東京駅のモデルになったとか。
日も徐々に傾きだしたところで、夕食に行こうということになりました。今回の旅では、積極的にご当地モノを食べていこうということで、Aさんに「オランダっぽい食べ物ってありますか?」と聞いてみたところ……。
「ん~~~、コロッケ……とかかな?」
Aさんの話では、オランダ人はあまり食事にこだわらないので、名物料理と言えるものがあまり無いそうです。しかし、裏を返せばそんなオランダで、名物として名前のあがるコロッケというのはよっぽど人気なのでしょうか、アムステルダムにはなんと「コロッケの自動販売機」なるものが設置されていました。
コロッケの自動販売機、後ろに人が居て、売れたらどんどん補充されていく模様です。(それは自動販売機なのか?)
今回は自動販売機ではなく、アムステルダム中央駅の対岸にある現代建築が印象的な建物「eye」の中にあるレストランで、コロッケをいただきました。
このeyeという建物、中は映画博物館になっているようです。
夕食後、アムステルダム動物園近くにあるホテルまで、Aさんに見送っていただきました。Aさんはアムステルダム愛に溢れておられる方で、半日くらいの短い時間の中でしたが、アムステルダムの建物や美術館などの美しい面から、ちょっと他とは違う面(マリファナを吸っている人の見分け方、猛スピードで走る自転車とのつきあい方などなど)まで、さまざまなことを教えて頂きました。おかげさまで、この短い時間の中で、ほとんど知識がなかったアムステルダムという街がとても好きになりました。
翌日、午後の出発まで少し時間が合ったので、ホテル近くのオランダ海洋博物館まで散歩をしました。
帆船とオランダ海洋博物館の建物、この建物はオランダ海軍の兵器倉庫だったものを利用しているとのことです。時間があまりなかったので、中は見れず。また機会があれば見学してみたいです。
アムステルダムの街は、運河とかわいらしい建物が調和しており、フランスの街にもドイツの街にも負けないくらいの魅力が詰まった街でした。ただし、その魅力を知るにはあまりにも滞在時間が短かったので、今度はゆっくりと訪れたいです。
さて、アムステルダムの街を後にして、再びスキポール空港へと戻って来ました。ここで、飛行機の搭乗手続きを行うのですが、このスキポール空港、チェックインはもちろんのこと、荷物を預けるのも完全にセルフサービスという中々スリリングな仕様でした。これから日本の空港もそうなっていくのでしょうか……?
あっちもKLM!こっちもKLM!
大阪行きのボーディングゲートの前まで来ると、そこはすでに関西弁が飛び交っており、安心するような、現実に引き戻されるような色々な気分になります。この10日間、最初は心細く思う場面も多々有りましたが、やはり普段の生活とはまったく異なる環境で過ごすことにはそれなりに楽しさや面白さもあり、また素晴らしい景色の中で暮らす喜びも多くありました。
寂しさやら安心感やらを胸に、飛行機に乗ること十数時間で、関西国際空港に到着です。さきほどの「Auf Wiedersehen in Hamburg」もそうですが、この「おかえりなさい。」も中々グッと来るものがあります。
ということで、駆け足になりましたが、10日間のヨーロッパ旅行についての記事はここで終了ということにさせていただきます。9月から年をまたいでしまいましたが、とりあえずはこれでブログの記事も無事帰国したということで、またどこかへ行くことがあれば記事にしていければいいなと思っています。ありがとうございました。
趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 7,キール軍港編
【前回までのあらすじ】
・ハンブルクのメトロは改札的なものが一切ないので焦る
・フランスではどこにでも売ってたオランジーナが一切無かった
・9月なのに寒い
・大方の予想通り更新が途絶えかけた
8日目はハンブルクから列車で1時間半ほどのバルト海に面した港町、キールへと向かいました。さすがに初めてのヨーロッパでここに行く人は少ないのでは無いかと思っていますが、この街(といってもキールからさらにフェリーで1時間ほどかかるラーボエという街ですが)には本物のUボートを公開する博物館と、ドイツ海軍記念館があるのです。
フランスのテーマが「木組みの家と石畳の街を堪能する」なら、ドイツのテーマは「船と港(とミニチュア)」ということで(このテーマは今決めました)、キール・ラーボエは欠かせない街なのでした。
さて、この日はハンブルク~(鉄道)~キール~(フェリー)~ラーボエといったコースをたどります。キールでの乗り継ぎ時間が15分ほどしかなく心配ですが、まあ駅から船着場までは近いので大丈夫……。
結論から言うと、鉄道が10分遅れでキールに到着、ダッシュでチケットを購入し、フェリーへとひた走ります。フェリーの係員がすごい勢いで手招きして急かしてくる!
フェリーへと滑り込むとほぼ同時に、船はラーボエへ向けて出航しました。ここまで写真が無いのはそもそも撮ってる暇が無かったからです。
(スカンディナビア行きのフェリー、空の色がいかにも「北」っぽい)
乗ってしまえばこっちのもの、ということでしばらくフェリーの中を探検していました。
空の色と旗の具合からお察しのとおりに、甲板の上は死ぬほど寒い!これを書いている11月現在よりもはるかに寒かったです。
船は結構な頻度で桟橋へと接岸しながら、ドイツ海軍の停泊地や、造船所の脇をすり抜けていきます。空の色、海の色、そして建物も船も灰色の世界が続きます。
この瞬間、このカラコレ阿武隈(三宮のらしんばんで購入)はバルト海を見たおそらく初めての阿武隈になったのだ。
そんなこんなでキール市街地を抜けると、のどかな海岸沿いの住宅街とヨットハーバーが続きました。
やがて船は終点のラーボエ(Laboe)に到着しました。
Laboe hat mehr als Meer!
英語にすると"Laboe has more than see!" ラーボエは海だけじゃないとかそんな感じの意味なんでしょうか、まあこのキャッチコピーが示すとおりに、ラーボエはバルト海の海水浴場としても有名な街のようです。
キール湾の日の当たる方へようこそ!東の海水浴場ラーボエ
人々の服装からも分かるとおりに、すっかりオフシーズンの海水浴場を横目に20分ほど歩くと、目的のU-995とドイツ海軍記念館が現れました。
艦首のフォルムや対空機銃の様子が、Uボートらしさを醸し出しています。このU-995はⅦC/41型というものらしく、1943年に就役し、戦後はノルウェー海軍に在籍した後、1マルク(!)で引き渡されたのだとか。
もちろん艦内も見学することが可能です。お隣のドイツ海軍記念館のチケットも同時にここで購入し、艦内へ。
艦の速力を示す表示だと思われます。U-995の艦内は、色彩のせいか不思議に落ち着いた雰囲気が流れています。
このハンドル全てに意味があるとはにわかには信じがたい気もします。
ここは通信室、モールス信号がずっと流れ続けていました。
乗員用のベッド、今でもフェリーなんかではこのくらいのベッドのサイズのような気もするのでそんなに窮屈そうではない感じ。
U-995の周囲も自由に近づいて見ることができます。
時に観光地でよく見たこのメダル製造機、硬貨をプレスしてメダルにするという、なんとも豪快な代物です。日本なら罪に問われるのでなかなかレアかも。
次にドイツ海軍記念館へ、ここはドイツ海軍に関する展示がされていると同時に、海の戦いで亡くなったすべての人を追悼する施設でもあるとのことです。このタワーはそのシンボルなのでしょうか。
タワーの上からの眺めはこんな感じ。
ビキニ環礁からはるばる里帰りを果たしたプリンツ・オイゲンの実際のスクリューも展示してありました。
館内には歴代ドイツ海軍の艦船模型が展示、ハンブルクの海洋博物館とくらべてしまうと少ないように見えますが、その分一つ一つをじっくり眺めることが出来ました。
帰りのフェリーの時間が迫っていたので、ドイツ海軍記念館を後にし、一路ラーボエ中心地へと戻りました。そこから再び1時間フェリーに揺られ、キールの中央駅へ。
このレールはフェリーを経由して、最終的にスカンディナビアへ続くのでしょう。
このブログで紹介する5つ目の駅、キール中央駅です。コルマールほどでないにしてもこじんまりとしています。
再び列車に乗ってハンブルクへと帰ります、今度は遅れずに定刻通りの到着となりました。
天気はあまり優れませんでしたが、逆にそれが軍港としてのキールの厳かでどこか寂しい雰囲気とマッチしていて、これはこれで良かったような気がします。前日までは「潜水艦も模型もハンブルクで見られるし、キールにわざわざ行かなくても」と考えていましたが、やはりキールにはキールの良さがあり、行ってよかったと自信を持っておすすめできます。
次回:最後の街アムステルダムへ
趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 6,ハンブルク市内編
0,前回までのあらすじ
・鉄道高架の下に落書きがあるのはどこの国もどこの街も一緒だった。
・ドイツの方が心なしか信号を守る気がした。
・ハンブルク中央駅のすぐ近くに巨大な電化製品店を見つけた。(ヨドバシ梅田を思い出して感動した。)
1,エルベ川周辺をめぐる
ハンブルク市内をめぐる滞在6日目は、U-434、国際海事博物館、ミニチュア・ワンダーランドを主に回っていきます。
ハンブルクは欧州第二位の港町ということで、街を流れるエルベ川沿いには多くの記念船が停泊しています。というか海から100km近く離れてるのに欧州第二位ってすごいですね。
メトロLaudungsbrücken駅を降りると、早速一つ目の記念船が停泊していました。
この帆船は名前を「リックマー・リックマース」と呼び、持ち主の孫の名前から付けられたとかなんとか。(by地球の歩き方)
それにしてもリックマー・リックマースって変わった名前ですよね、一度聞いたら多分しばらく忘れない気がします。
到着したのが9時頃、船内見学が始まるのが10時からだったので今回は断念。
「クマ」の付く艦船つながりで一枚。近くの小さいものと遠くの大きなものをボケずに両立させる方法をいろいろ調べてみたんですが、結局よくわかりませんでした……。
9時前だから堂々と撮っていますが、この1時間後くらいには観光客の数が増え始めて小心者の自分には撮影なんてとてもとてもという状態になっていました。
リックマー・リックマースから少し離れたところにあるのが「CAP SAN DIEGO」です。この船は貨物船の主流が、荷物をそのまま貨物室に入れるタイプから、コンテナを輸送するタイプへと移りゆく中で最後まで前者のタイプとして活躍したことで有名です。(偉そうに言ってますが、ハンブルクに行くまで知らなかったです)
この船も船内見学が出来ますが、やはり到着した時間が早く、後に回すことにしました。
(TOKYO号を見つけて撮ったものの、明らかにNEW YORK号が目立ち過ぎている……)
エルベ川沿いをFischmarkt(魚市場)方面にひたすら歩き続けると、今回の第一目的地発見です。
記念艦U-434です。ここでは、十数年前まで実際に使われていた潜水艦の中を見学することができます。日本でも出来なくは無いですが、ここで公開されているのは旧ソ連の潜水艦タンゴ型B-515として使用されていたものということで、おそらく世界でここだけでしか見ることのできないのではないでしょうか。
前部魚雷発射管の様子、予期しないところにマネキンが置いてあったりしてちょっとしたお化け屋敷気分も味わえます。
阿武隈を置くと大きく見えますが、狭すぎて一筋縄では通れません。背の高いドイツ人やロシア人ならなおさらでしょう。
当然ながら、この一つ一つのボタン全てに意味があるんでしょう。ロシア語なのでさっぱりわかりませんでしたが。
近くにはミュージアムショップも併設されており、Uボートグッズがたくさん置いてありました。
さて、U-434を後にしてハンブルク国際海事博物館へと向かいます。実はこの間にCAP SAN DIEGOも見学していますが、あんまり良い写真が無かったので割愛。
メトロの後ろの方に見える高い時計塔は聖ミヒャエル教会といい、ストラスブール大聖堂を抜いて世界一高い建物になった教会とのことです。
そんなこんなでハンブルク国際海事博物館に到着しました。赤レンガの高層建築がいかにもそれらしくて良い感じです。
この国際海事博物館、驚くべきことに1階から9階まですべて船と海運にまつわる展示で埋め尽くされています。航海術、帆船、船に関する科学、海軍史、民間船舶などおよそ船に関するトピックでこの博物館が扱っていないものはありません。
中でも圧巻なのが9階の艦船モデルコーナーです。実際に写真でお見せしたいと思います。
こんな感じの棚が
ずらっと向こうまで、何列にもわたってフロア一面に広がっていました。
「昭和19年に改装をされた後の阿武隈では?」と思ったものの、よく見ると前部主砲が12.7cm連装高角砲になっていることから昭和19年に改装をされた五十鈴であることがわかった模型……というように、数もものすごいですがその精密さも抜群です。
(レゴブロックで造られたドック入りするクインメリー2)
こんな感じの展示が9階にわたって続くので、「これは一生出られないのでは……」という錯覚も覚えるほどの大規模な博物館でした。船好きなら1日居ても飽きることは無い場所です。
しかし、ハンブルクには一生出られなさそうな施設がもう一つありました。
それが「ミニチュア・ワンダーランド」です。
この冗談みたいな規模の赤レンガ倉庫の一画にミニチュア・ワンダーランドは存在します。
ミニチュア・ワンダーランドは、何度も繰り返すように世界最大の鉄道模型レイアウトが展示してある施設であり、ハンブルクの新しい観光名所の一つとなっています。そして私の旅行の北ドイツにおけるメインの一つです。
受付でチケットを買い、日本語のパンフレットを受け取ります。もはや今にも走り出しそうな気持ちで展示室へと上がると、そこには想像を超える光景が広がっていました。
ウワアアアアアアアアアア
ワアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアア
こんな感じのミニチュアが歩いても歩いても続きます。スイス・空港・ハンブルク・アメリカ・北欧などなど、セクションごとにテーマがわかれているのですが、各テーマそれぞれ1時間は平気で眺めていられます。
このミニチュアのすごい点は、精密さだけでは無くユーモアも持ち合わせているところです。
地下から金庫に侵入しようとするものの、警察に待ち構えられている泥棒とか
とあるアルプスの少女とか
事件現場とか
鉄道マニアでなくても、こういった遊び心から万人が楽しめる施設になっていたように思います。
ただ、注意すべきなのはさんざん街を歩いた後にここに行くと「見続けたいのに足が言うこと聞かない」という事態が発生することです。入場者の数も多いので朝早く行くことをおすすめしたい……のですが、それはそれで後の予定を潰して長居してしまう危険もあるので悩みどころですね。
木組みの家コロンバージュ、ドイツ語では"Fachwerkhaus"と言うらしいです。
乗り物ファンのパラダイス、ハンブルクをめぐる一日をご紹介しました。
趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 5,ハンブルク到着編
0,前回までのあらすじ
・ストラスブール初日に買った地元のチーズが3日の時を経てパワーアップした。部屋で食べたら絶対に取り返しの付かないことになると確信したので、雨の降りしきるバルコニーで食べることにする。その凶悪な臭いは口に運ぶ度にえずくこと必至だったが、中身は濃厚でとても美味しい。チーズの難しさを知った一晩になった。
1,ストラスブールからハンブルクへ
さて、アルザスにすっかり魅了された3泊4日も終わりを迎え、次なる目的地ハンブルクへ向かいます。
最後の朝食でホットココア(英語だとホットチョコレート)をいただき、ドイツへ向かうTGVに乗るために数度目のストラスブール駅へ行きます。
自分の乗る予定の列車を掲示板で探すと、行き先・時刻までは良いとして”60 min. retard"の文字がありました。非常に嫌な予感がします。というか時刻に関する表記なら早いか遅いかのどっちか、いくらなんでも1時間早発なんてことはあり得ない。そう考えると1時間遅れというのが妥当です。
案の定TGVは1時間遅れて到着し、乗り継ぐ予定のICE(ドイツの高速鉄道)には間に合いませんでした。
「見本市と会議の街カールスルーエにようこそ!」(多分)
ICEは指定取らなくても乗車券だけで乗れるので、まあ遅れようがその日にハンブルクに着ければ問題はあまり深刻ではありません。というわけでICEとの乗り換え駅カールスルーエに到着です。
ドイツ語は大学で少しかじっていた上、そのおかげで電子辞書にも独和辞典が入ってるので、全くわからないくせにフランスに比べると何故か安心感があります。
乗る予定だったICEの一本後の便に乗り、一路ハンブルクへ。ドイツの南側にあるカールスルーエから、ドイツの北側ハンブルクまではおよそ600km(東京~神戸間くらい)ほどあります。
2,ハンブルク到着
車内の座席で一緒になった地元のおじさんに「これ、要らなくなったけど読む?」みたいな感じで新聞とボディービルダーが大量に載ったトレーニング雑誌(日本で言うところのターザン……?)を渡されるという出会いもありながら、ハンブルクに到着しました。
パリ東駅・ストラスブール駅・コルマール駅といろいろ見てきましたが、ここハンブルク中央駅も駅舎が凝っててとてもステキですね。ヨーロッパの駅はどこもそれぞれ個性があって見ていて楽しいです。日本の駅でも、大阪駅の大規模なトレイン・シェッドとかはヨーロッパっぽいと思います。
中央駅から徒歩圏内のホテルに荷物を降ろし、駅のフードコートで食事を済ませ、この日は終了です。途中で2回も「小銭ちょうだい」と声を掛けられて人口173万人(神戸市と同じくらい)の大都市を実感しながら、ハンブルクでの3泊4日が幕を開けました。
次回:日本から持ってきた↑の娘がそこそこ出てくるはずです。乗り物ファンにはたまらないハンブルクをめぐります。
趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 4,日帰りコルマール編
0,前回までのあらすじ
・石畳の路地を爆走するミニトラムはなかなかのスリルがあった
・トイレは本当にどこにも無かった
・本屋に日本のマンガが大量に置いてあった(ごちうさは無かった)
1,ストラスブールからコルマールへ
滞在4日目はストラスブールからコルマールへ日帰りで訪れることにしました。
2日目の記事で紹介したインパクトの強い駅舎のストラスブール駅、内部はこんな感じになっています。
コルマールへは1時間ほどの旅となります。例のごとく、車窓は畑と牛と空が主になっていましたが、アルザス周辺部では山並みも見られたりするので、結構車窓に変化がありました。
機関車が客車を押すタイプの列車が、普通列車として走っているのは日本人にとっては珍しいかもしれませんね。
シンメトリーな感じ
規模が大きく、インパクトの強いストラスブール駅に比べると、風格がありつつもこじんまりとしてて可愛らしい、コルマールの街にぴったりといった感じの駅舎です。
小雨が降るなど、あまり天気の優れない中、まずは観光の拠点となるウンターリンデン美術館の方へと歩き出します。
しかしながら、いくら雨の日曜日とは言え、街の人通りが少なすぎるような……?
と思いつつもしばらく歩いて行くと、急ににぎやかな声と大勢の人々の姿が見えました。よくよく見ると、この日はコルマールのマラソン大会の日だったらしく、上の道路はマラソンのために規制されていたものが、解除された直後のようでした。
ドイツ&アルザス名物のプレッツェルが走ってるかわいい看板
あいにくの雨といった感じでしたが、ランナーも沿道の応援もそこそこ盛り上がっているようでした。
そのままコルマールの旧市街へと入っていきます。
何気ない通りを何気なく撮っただけでこの鮮やかさと美しさ、コルマールの実力をひしひしと感じます。木組みの家も、ストラスブールよりも数多く建っているような気がするのも個人的には嬉しいポイントです。
そんなコルマールの旧市街で見つけたのがこのお店
極度乾燥(しなさい)
今ヨーロッパを中心に人気のファッションブランドのようですが、ただでさえシュールなのに上の写真のようなメルヘンな街中にいきなり現れるとなかなか異彩を放ちます。
ストラスブールの人口が27万人ほどであるのに対し、コルマールの人口は7万人ほどなので、街は全体的にこじんまりとしていて、かつ時間の流れもゆったりとしているような気がします。木組みの家の割合も高く、高い建物も少ないので街並みのかわいらしさもより一層際立っているといった感じでしょうか。
聖地巡礼らしいことをするために、心愛と千夜の学校に似てるとか似ていないとか言われているメディア文化センターにも寄りました。
道が複雑に入り組んでいるので、何も考えずにふらふら歩いていると、予期しないところに出たりしますが、小さな街なので致命傷には至らなかったりするので、非常に街歩きの楽しい場所です。
雨こそ止んだものの、やはりスッキリしない天気が続き、「晴れてさえいれば完璧だったのになあ」などと思いながら適当なカフェで昼食を取りました。
木組みの家と石畳を見ながらカプチーノを頂くという贅沢な体験!
ピザのように見えますが、フラムクーヘンというアルザスの名物料理らしいです。チーズの味がよく効いていました。
カフェはメニューが来るのもオーダーを取りに来るのも料理が出てくるのもお会計するのもすべてゆっくりとしているので、たっぷり1時間半ほどカフェに居ました。そして外に出てびっくり、なんと雲の量がめっきり減り、青空が覗いていたのです。
上のメディア文化センターの写真と比べると一目瞭然?
しかも時間が経つに連れみるみる空が明るくなって行き、コルマールの街並みがより一層鮮やかになって目の前に現れます。
一切補正かけずにこの状態です。別世界のような光景に思わず見とれ、立ち尽くしてしまいました。
コルマール旧市街の南には「プチ・ベニス」と呼ばれる地区があり、小さな観光用のボートがこのように行き来していました。
この「プフィスタの家」は「ハウルの動く城」に出てくる建物にそっくりなんだとか、コルマールは「ハウル」の聖地でもあるようです。
コルマールでおそらく一番高いであろうサン・マルタン教会。空はすっかり快晴になり、抜けるような青が広がりました。
午前中からの天気の変わり方があまりにもドラマチックで、感動のあまり思わず涙が出てしまいそうになりました。
木組みの家の寿司屋さん。和洋折衷具合は甘兎庵に通じるものがあるのでは無いでしょうか。
ちょっとフルール・ド・ラパンっぽさを感じた駅前のホテル、駅舎の時計塔の影が直撃してます。
奇跡的な天気の流れと、ストラスブールに負けず劣らずの美しくてかわいらしい街並み、そして地方都市特有のゆったりとした時間の流れ、すっかりコルマールに魅了された一日となりました。
おまけ:ストラスブールのクレベール広場
おまけ2:ストラスブールのオム・ド・フェール広場
歴史ある建築と現代建築のどちらも見るべきものが多々あるのがストラスブールの特徴と言えそうですね。
趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 3,ストラスブール散策編
0,前回のあらすじ
・朝食ビュッフェのシリアルサーバーの使い方がわからなかった
・昼食のケバブのレタスがポロポロこぼれて大変だった
・夕食ついでに買ってきた名産品のチーズの臭いがすごかったので、冷蔵庫に放置した
1,ストラスブール市内へ
滞在3日目はフランスのうさぎアニメからスタートしました。
"Les Lapins Crétins : Invasion"(うさぎの侵略みたいな意味?)というタイトルらしいです。土曜日の朝にアニメやってるのはどこも一緒なんだなと思うと同時に、言葉がわからなくてもついていけるので、意外に観続けてしまいました。
Les Lapins Crétins Invasion - Crétin Téléguidé (S1E31 ...
別におすすめというわけでも無いですが、Youtubeで公式チャンネルを見つけたので貼っておきます。
そんな感じでストラスブール市内へ、Observatoire駅からトラムCに乗って大聖堂近くのBroglie駅へと向かいます。
ストラスブールの街は結構入り組んでいますが、大聖堂へはその存在感と圧倒的な高さから迷うことなく到達できました。
そこで私を待ち受けていたものは……
(カメラが下からグイッとパンして大聖堂がドーン)
142mという高さと隅々まで丁寧に施された精密な装飾とが強烈に目に焼き付きます。これが15世紀にはすでに完成していたというのだからもはや恐ろしいですね。
しかもこの大聖堂、高さ66mの展望台まで登ることができるんです!
階段で!
300段近い階段を登る途中、「買ったチケットで無料になるからってどうして登ろうと思ったんだろう」「どうしてストラスブールまで来て汗ビショビショになってるんだろう」「ヨーロッパは寒いって思ってたけど普通に暑い」「前の人、50段くらいでもう息切れてる」などネガティブな考えが頭をよぎりかけましたが、66mから見た景色はその考えを吹き飛ばしてくれました。
視界を遮るものが何もなく、美しい街並みが一望できます。これは66mを登った甲斐もあるというものです。
(IKEAも見える!)
再び300段近い階段を下って、今度は歩いて街並みを見ていきます。
お土産屋さん通りもかわいい!
川岸に建つ建物もかわいい!
コロンバージュ(木組みの家)が並ぶプティット・フランス地区、かわいい!
ラビットハウスが普通に建ってそう、かわいい!
コロンバージュと人気のオープンテラスカフェ、かわいい!
花と緑で彩られ、川がおだやかに流れるストラスブールは、どこを切り取っても美しく、そしてかわいらしい街並みが続きます。これは大袈裟でもなんでもなく、ショーウィンドウに映る自分の姿でようやく現実だとわかるレベルです。
ごちうさで初めて知り、それから数年間憧れ続け、何度もストリートビューで眺めてきた「木組みの家と石畳の街」ですが
「アニメや漫画と普通に張れるどころか、その中ですらなかなか見られないくらい綺麗な街並みが現実にあるなんて……」
という気持ちに冗談抜きでさせられました。
こんな感じの看板も、街のいたるところにあり、見かける度にテンションが上がっていきます。(うさぎをかたどったものは残念ながら見つけられませんでしたが……)
また、このような街並みを川から眺めることの出来る観光クルーズにも乗船しました。
ポン・クヴェール
セント・ポール教会
白鳥と併走
二度目の登場、欧州議会
観光クルーズの音声ガイドは日本語にも対応しており、プティット・フランスやヨーロッパ地区など、ストラスブールの観光名所を川から一回り楽しむことが出来ます。
ストラスブール・パスという博物館や美術館、観光名所で使える割引券セットを買うことで、このクルーズ船に無料で乗ることができるので、ぜひおすすめします。(大聖堂の展望台にも無料で登れますよ!!)
ストラスブールの旧市街は、まさしく「すべてがかわいい」と自信を持って言える街でした。
観光都市ということもあり、治安も比較的良く、観光客にもフレンドリーに接してくれるなど、街並みだけでなく人も素晴らしい都市であり、一日散策するだけで一気にストラスブールに惚れてしまいました。
(街中にメリーゴランドあってもあんまり浮いてないのがこの街を物語ってる気がします。)
しかし、アルザスにはストラスブール以上に現実離れした街があったのです。
次回に続く。
趣味全開のアルザス・北ドイツ旅行 2,ストラスブール到着編
0,前回までのあらすじ
・暗殺教室は普通に面白かった
・夕食のサンドイッチのパンがポロポロこぼれて大変だった
・ホテルのテレビの付け方がわからなかった
1,パリからストラスブールへ
パリからストラスブールまではフランス国鉄の誇る高速鉄道「TGV」を利用します。
ストラスブール行きのTGVが発着するパリ東駅へは、悪名高いメトロを使うことにしました。
(メトロ2号線・ブランシュ駅のホーム)
油断はなりませんが、特に何事もなくパリ東駅へ到着。
(パリ東駅。ブランシュ駅のホームと明るさ・広さともにえらい違い)
駅のコンコースでさえこんなに洗練されてるのか……と感動を覚えました。同時に、小銃を持ってあたりを警戒しているフランス軍の方を見て軽くカルチャーショックを覚えたり。(つい先月にもタリスという別の高速鉄道でテロ未遂がありましたね)
初めてのバリデーション(改札みたいなもの)を済ませ、
「本当に出発ギリギリまでホームわからないんだ」
とヨーロッパの鉄道あるあるを感じながら待つこと約30分、お目当てのストラスブール・コルマール行きTGVが入線しました。
(頭端式ホームに高速鉄道がずらっと並ぶのってここならではの光景ですよね)
オール2階建てで新幹線よりも大きめな車両に乗り込むと、音もなくTGVはストラスブールに向けて動き始めました。ストラスブールまではノンストップです。
TGVの車窓からは実にいろいろなものが見えます。パリらしい古めの建物、都市郊外の落書きの多さ、街を抜けると広がる畑、高速道路と畑、丘一面に広がる畑、地平線まで畑・・・
車窓の写真を撮るのを忘れたので、パリからストラスブールまでの車窓を文字で表すと
空空空空空空
空空空空空空
空空畑畑空空
畑畑畑畑畑畑
畑畑牛畑畑畑
こんな感じの景色が2時間ほど続きます。もっとも、私は初めて見る光景なので楽しいのですが、周りのフランス人は割りとみんなおやすみモードでした。
2,ストラスブール到着
ストラスブールについた私を最初に出迎えてくれたものは……
バブル状のガラスドームに駅舎がすっぽり包まれたモダンなのか何なのかさっぱりわからない駅舎!
大聖堂よりもプティット・フランスよりも、ひょっとしたらこれが一番ストラスブールを印象付けるものになったかもしれません。
ホテルへ向かい荷物を置くと、すでに夕方でしたが、ホテルの近くに名所があったので見に行ってみることにしました。
これらの現代的な建築はいずれもEUを代表する機関であり、2つはヨーロッパ地区というそのものズバリな地区に存在しています。この他にも欧州評議会もストラスブールにあります。
↓(三十年戦争・ウェストファリア条約)
↓(第二次世界大戦勃発)
ナチス・ドイツ
↓(第二次世界大戦終結)
と、欧州の戦争に振り回され続けた地域なので、欧州統合の機関がこの地にあるというのは非常に象徴的なことなのです。(この辺りは大学入試の世界史でよく出るところなので、知ったような口を叩きます。)
このようにドイツの統治下にあった時代も長いので、木組みの家もドイツの影響が強いですし、アルザス語はドイツ語の方言の一種とも考えられています。また、地元の名物料理「シュークルート」も「ザワークラウト」とほぼ同じものです。
(左端の看板は、フランス語とドイツ語っぽいアルザス語で書かれています)
教科書みたいな話になってしまいましたが、次回はストラスブール市内編ということで、心ぴょんぴょん的な感じで行きたいと思います。
(この調子で最後まで書き続けられるのか?)